つゞみ 広尾(つづみ 広尾)

広尾駅1番出口から徒歩2分。
 
 
 
和食割烹と蕎麦の名店「つゞみ」さんにお邪魔しました。
 
 
暖簾をくぐると、和モダンな空間が広がり、丁寧で笑顔の素敵な大将が出迎えてくれます。
 
 
ただ料理を提供するのではなく、その「提供に至るプロセス」までが演出の一部。
 
 
まさに五感で楽しむ日本料理の世界です。今回は「お蕎麦食べ比べコース(16,500円)」をいただきました。
 
 
まずはビールで乾杯。
 
 
おつまみの蕎麦チップ。
 
 
香ばしく、蕎麦の風味がしっかりと感じられる一品で、スタートから心を掴まれます。
 
 
カウンター越しに大将の手仕事を眺めつつ供された「先付」。
 
 
冬瓜含ませ、雲丹土佐酢ゼリー。
 
 
蓮の葉にのったジュレをカップに落としていただく演出にまず驚き、そして感動。
 
 
冬瓜のやさしい味わいに、雲丹の濃厚さ、土佐酢の酸味が絶妙に絡み合い、一品目から虜に。
 
 
「凌ぎ」は蕎麦料理。さすが蕎麦懐石。
 
 
白エビのからすみそば。
 
 
自家製カラスミの香ばしさと更科蕎麦のコシが絶妙で、白エビのねっとりとした旨味が引き立つ一皿。お店の名物だけあり、人生の蕎麦トップランキングを軽く更新しました。
 
 
「中皿」は生きた稚鮎を目の前に見せてからの調理という演出からスタート。
 
 
元気に泳いでいた稚鮎が天ぷらになりました。
 
 
香ばしく揚げられた稚鮎をタルタル、野菜、海苔とともに蕎麦クレープで包んでいただきます。
 
 
 
骨まで美味しい、深みのある逸品です。
 
 
「八寸」の用意です。これは和の演出が凄まじそう。見ているだけでウットリします。
 
 
見た目も華やかな「和の宴」が登場しました。
 
 
一品一品が繊細に仕立てられ、季節を五感で楽しめる構成です。
 
 
まず驚いたのは「ヤングコーンのフライ」。衣は軽く、甘くみずみずしいヤングコーンの旨味が引き立ちます。
 
 
 
「ミニトマトの甘酢漬け」は、口に入れるとじゅわっと果汁がはじけ、爽やかな酸味と甘みが夏を感じさせます。
 
 
「ヤングコーンのヒゲの天ぷら」は初体験。サクサクとした食感と、想像以上の甘さ、そしてとうもろこしの香ばしさに驚かされました。
 
 
「茄子のお浸し 糸がき乗せ」は、しっとりと煮含められた茄子に、糸がきの旨味が寄り添い、滋味深い味わい。
 
 
「いさきの卵のうま煮」は、プチっと弾ける食感と濃厚な煮汁がたまらない一品。出汁の香りがふわりと鼻に抜けます。
 
 
「するめいかの海苔巻き 酒盗ソース添え」は、海苔の香りとイカの旨味が口いっぱいに広がり、酒盗ソースが味に奥行きを与えてくれます。
 
 
「造り」は炭で炙るところからスタート。
 
 
 
さらにスモークをかけ、目の前で香り立たせてくれます。醤油替わりの「島らっきょの醤油漬け」やピーマンを刻んだ「すず醤油」との組み合わせも秀逸で、魚の旨味をさらに引き立ててくれます。
 
 
「めじまぐろ」は、柔らかな赤身に炭の香ばしさが重なり、まぐろの繊細な旨味が際立ちます。
 
 
「いさき」は、皮目の香ばしさと身のふっくら感が絶妙。淡白な白身にスモークの香りが乗ることで、印象的な一皿に仕上がっていました。
 
 
「強肴」は牛ヒレ肉。目の前で焼いてくれます。
 
 
 
ワインビールのヒレ肉、アスパラソース。
 
 
アスパラの香り豊かなソースと共にいただきます。
 
 
肉の柔らかさとアスパラの青みが絶妙に調和した、力強くも上品なひと皿。
 
 
炒めた青菜とも相性抜群です。
 
 
そして真打ち、「蕎麦4種食べ比べ」。
 
 
まずは山形・最上早生、北海道・キタノマシュウ
 
 
次に長野・入野谷在来(炭火焙煎)、山形・BW5号。
 
 
それぞれを冷つけ汁、塩、うずらの卵で味変しながら楽しみます。
 
 
中でも焙煎した入野谷在来は、まるで蕎麦のエスプレッソのような香ばしさと野性味。印象に残る一杯でした。
 
 
蕎麦湯はトロッとしてまるでポタージュ。コクがありカラダに優しい味です。
 
 
〆の甘味は、紫蘇のジェラート&梅ゼリー。
 
 
 
爽やかな余韻が広がり、夏の終わりにぴったりの締めくくりです。
 
 
最後は水ようかん。和の王道スイーツで唯一無二。程よい甘さで、ホッとする味です。
 
 
 
お酒は「仙禽 かぶとむし」をペアリング。
 
 
夏らしい酸と甘み、キレのある味わいが料理に寄り添い、全体の完成度をさらに高めてくれました。
 
 
一皿ごとに驚きと余韻があり、「和のエンターテイメント」と言いたくなるほど。日本料理と蕎麦の真髄を、静かに、そして五感で味わいたい方にぜひおすすめしたい名店です。


 
つゞみ 広尾
■ 住所
東京都港区南麻布5丁目15‑25 広尾 六幸館2階
■ 電話
03‑5795‑2683
■ 営業時間
  • 月〜金:17:00~23:00(料理 L.O.20:00/ドリンク L.O.22:00)
  • :17:00~23:00(L.O.料理20:00)
  • 土・日・祝
    • 昼の部:12:00~14:30(料理 L.O.14:30)
    • 夜の部:18:00~22:00(料理 L.O.20:00/ドリンク L.O.22:00)
■ 定休日
不定休。カレンダーを参考にするか、来店前に店舗へご確認ください